2008年03月23日

ヒトラー暗殺

本書は、共産主義者や爆弾犯、敵のスパイや軍高官などによる、およそ42件もの暗殺未遂から主要事件を取り上げて、ヒトラー暗殺という「ナチ裏面史」に迫った超一級の歴史ノンフィクション。本書の特徴は、ヒトラーがドイツを、ひいては世界を破滅させる「悪」であるのに気づき、独裁者の殺害にまさに命を捧げた者たちへの鎮魂の思いにある。加えて、事実をただ述べるだけでなく、暗殺をもくろむ者たちの動機、性格、心理まで細かく分析しているため、手に汗握るような緊迫感が満ち満ちている。具体的には、シュタウフェンベルクによる総統司令部爆破のクーデター、寵愛を受けたシュペーアによる暗殺計画、ソ連秘密警察による実行犯がチェーホフの甥という驚きの事実……ほか、数々の意外な真相が明かされ、興味が尽きない。
本書は「読者の心を鷲みにする。十分に調査されているが、いわゆる研究書とは異なり、優れたスリラーを読んでいるかのようだ」(『タイムズ文芸付録』)と高く評価され、世界九か国で出版が決まっている話題の一冊。著者は英国のドイツ現代史研究者。
ラベル:白水社
posted by 都の御曹司 at 13:28| etc / other (日本書) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする